自己紹介
はるなと言います🐰🍤 2021年4月から2022年5月までフィヨルドブートキャンプを受講していました。 現在は株式会社キャタルでエンジニアとして働いています。
前職は保育園の看護師をしていました。
好きなRubyのメソッドはobject_id
です。
アプリについて
お子さんの予防接種の予定を自動で計算するサービスを作りました。
できること
お子さんのお誕生日と接種履歴から予防接種の予定日を自動で割り出します。
予防接種の規定は国立感染症研究所や厚生労働省などで定義されていますが、 今回は小児科学会が推奨している規定日数を使っています。
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf
技術スタック
- Ruby 3.1.2
- Ruby on Rails 6.1.5
- PostgreSQL
- Heroku
- GitHubActions
作った経緯
自己紹介にも書いたように、私は保育園で看護師をしていました。 そんな仕事があるの…?とたまに言われますが、わかりやすくお伝えすると 【学校の保健室の先生】と【0歳児クラス👶🏻の担任】を6:4くらいの割合で請け負っていました。
そんなお仕事から、エンジニアになりたい、とジョブチェンジを決心した理由はいくつかありますが その中の一つに、 『世のお父さん・お母さん、そして子育てに関わる人の孤独感や負担感をもっと減らしたい』 という理由がありました。
少し話は逸れてしまいますが、 私は20代前半で保育園看護師の仕事を始めました。 出産も子育ても経験したことがなく、看護師という資格は持っていたものの、正直最初は赤ちゃんを抱っこすることでさえ怖かったです。 それに加えて、不慣れな私が子どもを寝かしつけようとしても寝ない・食事の介助に入ってもうまいこと食べてもらえない…と、入職して最初の数ヶ月はまるで新米お母さんのような日々を過ごしました。
それでも楽しく仕事ができ、子どもたちを心から大切に思い可愛がれたのは、ベテランの先生たちのお手本があり、困ったときにはいろんなことを教えてもらい、子どもたちの話を他の先生や保護者と共有できたおかげだと思っています。
私は、様々な家庭の子育ての一部を担い、その楽しさや素晴らしさを実感してきましたが、 近くで見てきたぶん、現代の子育てを取り巻く環境は決して良いとは思えず、特に保護者にその皺寄せが来ている実情を多く見てきました。
話そうと思えばキリがありませんが、関係のありそうな話で言えば、保育園の財源の少なさや新しい情報が入ってきづらいことによる全体的なレガシー感、そしてIT化の遅れが、塵も積もれば山となる状態で保護者への負担を慢性的に強いていることが、一つの理由だと思っています。
まだまだ、連絡は電話が当たり前、連絡帳は紙のノート、提出物も紙、もう全部紙、今すぐに利用したいであろう一時保育は電話をしてから一度来園して面接してからまた電話で予約(そして大体直近1ヶ月は予約が取れない)、、、など、正直思い返すと引いてしまうような現状です。
子育てが大変な乳幼児期に、一番もっと楽になったらいいのに、楽であるべきなのに、という部分が なぜか時代2つ分くらい昔のままで全く進んでいないのは、正直大問題です。
ただ、働いているときは何をしたらそれが改善されるのかわからなかった。
せいぜい職位のある先生を巻き込み、園長に提案をしては「それはちょっとねえ…」とゴニョゴニョ言われるのが関の山で、あとはもう無法地帯のExcelの整備をするくらいしかできませんでした。下っ端でいるうちに何かが変わるとは、到底思えなかったです。そして、ずっと働き続けていると、初めは「本当におかしい!」と思っていたことが「これが普通、これが保育園のスタンダード」と慣れてしまっている自分に気づいてしまいました。
仕事は楽しいのに、でも環境は許せないのに、慣れてしまうし、そんな自分に腹が立つ。悩みながら紆余曲折し、色んなきっかけをもとにたどり着いた答えは、自分がものを作る側になってみたら見える世界が変わるかもしれない、ということでした。
どんな形であれ、いつかこの実情を変える一端を担えたらどんなに良いか。 保育に直接関われずとも、どこか子育てや子どもの成長に関わる部分をもっと便利にできないか。 そんな大きすぎる夢を持って飛び込んだFBCで、ターミナルの「タ」の字も、GitHubの「ギ」の字も知らない頃から、 自作サービスは絶対に子育て関係にしたい!と決めていました。
FBCでRuby on Railsを勉強し出した頃から案を少しずつ考えていて、最初はあの有名な「みてね」のようなお子さんに関する記録を共有したり振り返ることができるようなサービスがいいなと思っていたのですが、
自分のしていた業務を振り返り、さらにお世話になった保護者の皆様を思い出しながらあれこれ考えてみると
子どもたちの予防接種の接種状況をチェックする仕事が大変だったな、、 複雑な規定のもとに前回の接種日から次の予定を考えるのめんどうだったな、、 「これ打ち終わってますか?」と確認すると、仕事が忙しくてうっかり忘れてました!みたいな保護者も少なくなかったな、、、🤔
なんていったって、子どもの予防接種、複雑なんです。量も多いし規程も複雑です。これが私が知っている中で一番わかりやすいスケジュールの資料なんですが、知識がなかったら解読困難だと思います。
この中の、ワクチン名の右に書いてある【定期】は必須で打つべきワクチンです。それぞれ打ち始めるべき日や接種間隔日数が違います。 働き始めた頃は、看護師の私ですら、それまでの仕事では取り扱っていない分野だったので 「名前は聞いたことあるけど接種間隔や推奨年齢はわからない」、という状況でした。
今はかなり覚えてしまっていますが、前回接種から28日空けるとか、21日空けるとか、結構計算するのめんどうですよね。
そこを解消できたら、、と考え、今回このサービスを制作するに至りました。
開発中に苦労したこと
仕様の検討
FBCに入会した頃は自作サービスを作っている自分なんて想像がつかない、が本音でした。 ただ、それは単に機能を作るための莫大なコードを自分が書けるのか?という心配だったと思います。
サービス作りを終えたいま一番難しかったと思うのは、何よりペーパープロトタイプとして 最初の段階で仕様を決定することでした。
「この機能はつけるのか?つけないのか?」 「どういう人に使って欲しいか?」 など、想像以上に考えることばかりで、ものづくりの難しさや大変さを実感しました。
また、最初は何もわからなかったので、すでに存在する子育て関連のアプリを参考にしていました。 しかし、気づくと機能やUIがどんどんそちらに寄ってしまい、 「自分の作りたいものってなんだっけ」と方向性がわからなくなってしまった時もありました。
そんな時、すでに自作サービスを終えた他の受講生から 「私は、‘絶対にこれは作らない’という機能を決めて取り組みました」と教えてもらい、 自分自身のサービスへの自信のなさから、不要な機能をつけ過ぎようとしていることに気づきました。
未経験者の自作サービスではありますが、ペルソナを自分の中でかなり細かく設定し、 あったら一見良さそうに見えていた機能(今回でいうと記録に関する機能)は最大限切り落とすことにしました。
最初にこの思考の過程があったからこそ、その後の開発では大きな迷いがなく進めることができたと思います。
既存のデータを扱うことの怖さ
予防接種の予定を割り出すサービスなので、元データを整理し、計算処理で活用できるようにまとめる必要がありました。 「ここで間違えてはいけない、、」と強迫観念に囚われ、大変というよりはデータ整理の時間が一番辛かったです。
すでにあるデータをもとにアプリを作ることの責任の大きさを知りましたし、大袈裟にいえば人の命に関わる数字を取り扱ったことで、 学生時代から当たり前のように使っていた電子カルテや数々の医療機器メーカーへの感謝と尊敬の気持ちが止みません。
デザインやフロントエンドが大切すぎること
私は、どちらかというとCSSやデザイン、そしてざっくりといえばフロントエンドが苦手でした。 Rubyが大好きだし、Ruby on Railsを書いている時間が一番楽しいし、フロントエンドを頑張る意味ってなんだろう?などと考えていましたが、ユーザー体験の価値を上げるにはフロントエンドを頑張らないと始まらないということを自作サービスを作る過程で実感しました。
なんとなくアプリが重い・遅い・色が微妙・欲しいボタンやリンクがどこにあるかわからない、など そういったUIにはストレスが溜まり、サービスからユーザーが離れてしまうんだなと感じましたし、 逆に、色やデザイン、ボタンのクリック動作など、今まで使ってきた素敵だなと思うサービスには UIやデザインの細部に気づかないうちに心を動かされてきたことに気づきました。
仕事ではフロントエンドも頑張って、Rubyと同じくらい好きと言えるようになりたいです。
最後に
約1年前、一人でRubyを勉強している時にはputsとifしか理解できなかった私が、 こうして世の中にサービスをリリースさせてしまうなんて、FBCって良い意味でめちゃくちゃ狂っていると思います。
自作サービスと向き合うにあたって、 日々私の弱音に付き合ってくれた輪読会でご縁があった友人たち、 分報に反応してくれた皆さま、 落ち込んだ日報を提出するとコメントで励ましてくれたメンターの皆さま、 レビューをしてくださったmaedanaさん、赤塚さん、 就職相談で優しく応援してくれた東郷さん、 いつも暖かく見守りアドバイスをくださった駒形さん、町田さん 本当にありがとうございました。この場を借りて、感謝を申し上げます。